建設業の社会保險未加入問題と労務管理上の実務対応

摘要

平成23年6月に国土交通省建設産業戰略会議が発表した「建設産業の再生と発展のための方策2011」において、建設産業は「年金、医療、雇用保険」の社会保険等を、企業としての未加入及び一部労働者の未加入等、法定福利費を適正に負担しない企業が存在していると指摘している。この課題を放置しておくと、技能労働者の処遇が低下、若年労働者の減少等、必要な人材の確保を妨げることにつながり、また、適正に法定福利費を負担し、人を大切にしている施行力のある企業ほどコスト高となり、受注競争上不利になるという矛盾も発生している。この未加入問題を解決するには、建設産業全体としての枠組みを整備し、行政、元請企業、下請企業が一体となって取り組hでいくことが必要であるとし、平成24年度を初年度として平成29年度以降は、建設業·許可業者の社会保険加入率を100％に引き上げ、労働者の加入率を製造業なみに引き上げるとしている。