化学物質による環境問題--平成13年環境白書より--

摘要

化学物質は、私たちの生活に利便性をもたらす一人方、様々な場面において、人体や環境に悪影響を与える可能性をもっている。 世界中で開発された化学物質の登録機閑である米国のCAS（Chemical Abstracts Service）には、平成12年末時点で約2，800万種類の化学物質が登録されており、種類及び生産量は増加傾向にある。 化学物質は日常生活のあらゆる場面、モノの製造から廃棄に至る事業活動の各段階において、環境中に放出されたり人体に摂取されたりする。 このような科学物質をめぐる状況を踏まえ、新環境基本計画では、化学物質対策に係る目標として、「…多様な手法による環境リスクの管理の抽選を図ることにより、接続可能な社会の構築の観点から許容し得ないリスクを回避」することを掲げている。今後、本目標の達成に向けて様々な施策が講じられることになるが、化学物質の適切な管理を行う前提として、先ず各々のリスクを評価することが必要となる。このリスク評価は、諸外国及び国際機関においても重要課題として取り組まれている。 また、有害物質による土壌や地下水の汚染など、環境上の「負の遇軌のうち、化学物質によるものについては、これまでの蓄積も含め、将来世代に環境影療を可能な限り残さないごとを目指す必要がある。