パラジウム月虫媒を用いたプロパルギルエステルと求核剤の環化反応による環状化合物の選択的合成

摘要

プロパルギル位にハロゲンやエステルなどの脱離基が 導入されたプロパルギル化合物は，有機合成において重 要な合成中間体であり，これまでに多種多様な変換反応 が報告されている。例えばプロパルギルエステル1に対 し，パラジウム触媒存在下，ソフトな求核剤を作用させ ると，求核単位が2つ導入された二置換アリル化合物2 が生成する（スキーム1）。本反応では，パラジウムがプロパルギルエステルと反応することでπ-プロパルギルパラジウム3が生成後，本錯体の中心炭素に求核剤が求核攻撃することで，パラダシクロブテン中間体を経てπ－アリルパラジウム4へと変換される。