（業績）「大気安定性をもつ高性能有機半導体材料の開発」

摘要

近年，有機半導体材料を活性層にもつ有機電界効果トランジスタに関する研究が基礎，応用両面から盛hに研究されており，良好な特性を示し大気中でも安定な半導体材料が強く求められている。また，高い溶解性をもち，塗布プロセスに適する材料も含め，このような有機半導体は，今後の有機エレクトロニクスの発展には不可欠であるとの認識から，多くの新規材料が提案されてきている。瀧官民は，分子科学的考察に基づき，有機半導体材料において求められる上記の特性を分子設計に翻訳し，有機合成化学の手法により新分子を開発するというアプローチで研究を進めている。この中で，フロンティア軌道のエネルギーレベル，安定性，π電子系の拡張，溶解性，自己凝集能などの様々な要素を考慮し，それらを適切に組み合せることで，安定性に優れた高性能な新規有機半導体材料の開発に成功している。以下に，その業績の概要を示す。