「ささえあう」関係から賑わい創出の中心へ近年の公立図書館をめぐる動向

摘要

近年，公立図書館（以下，図書館）の果たす役割に変化が見られる。かっては，図書館が利用者に資料を貸し出す単方向のサービスが中心であった。最近では，巿民の図書館への関心が高まり，市民から図書館へのさまざまな働きかけも行われるようになつてきた。本稿ではこうした状況を，図書館と市民·利用者とがともに「ささえあう」関係にあると捉え直すことで，図書館の果たす役割や両者のあり方を考える。また，図書館は公共施設の中でも，集客力があり認知度が高いため，地域活性化の観点から新たな役割を期待されていることにも触れる。