科学技術イノベーションの基礎的な力の強化へ－2018年版科学技術白書で提言

摘要

科学技術基本計画（2016年1月22日閣議決定）に基づき，このほど文部科学省が発表した2018年版科学技術白書によると，科学技術イノベーションを担うのは「人」である。世界中で高度人材の獲得競争が激化する一方，わが国では若年人口の減少が進hでいる。こうした中で，科学技術イノベーション人材の質の向上と能力発揮が一層重要になってきている。このため，様々な取組みを通じ，わが国において，多様で優秀な人材を持続的に育成·確保し，科学技術イノベーション活動に携わる人材が，知的プロフェッショナルとして学界や産業界等の多様な場で活躍できる社会を創り出すこととしている。そこで本稿では，知的プロフェッショナルとしての人材育成·確保と活躍促進として，①科学イノベーションを担う多様な人材の育成·活躍促進，②人材の多様性確保と流動化の促進という点に絞り,同白書での提言について紹介する。