事業所における人材育成の問題点明らかに－2015年度能力開発基本調査結果まとまる

摘要

能力開発基本調査は，わが国の企業，事業所および労働者の能力開発の実態を正社員·正社員以外別に明らかにし，職業能力開発行政に資することを目的としたもので，2015年度調査結果がこのほどまとまった。調査対象は，日本国全域において，日本標準産業分類による15 大産業に属する，30人以上の常用労働者を雇用する事業所のうちから一定の方法により抽出した事業所で，事業所の概要，教育訓練の実施状況，人材育成，キャリア形成のための支援，職業能力評価の実施状況，技能継承等について調査を行った。それによると，能力開発や人材育成に関して何らかの「問題がある」とする事業所のうち，指導する人材不足，人材を育成する時間がない，人材育成してもすぐにやめてしまうなどの結果が明らかになった。本稿では，同調査の結果から能力開発や人材育成の現状についてレポートする。