ロケットエンジン溶接に卓越極低温から超高温まで対応

摘要

三菱重工業で製作するロケットエンジンは，下部がスカートの形をした円錐形になっている。そこに-253°Cの液体水素を通す450本の管が並び，10本のチューブで束ねてある。管とチューブが交わる約9，000ヵ所をティグ溶接でつないでいく。液化水素は極低温だが，エンジンが燃焼すると内部は3，300度の超高温にまで達する。極低温から超高温まで－若杉忠宏さh（60歳）は繊細な溶接に携わる。材料にステンレスとインコネルを使い，板厚は最小0.25mmで，通常は約0.5mm。薄く固いので溶接割れが起きやすい。「ロケットエンジンの溶接は材料が特殊なので，熱がかかりすぎると割れてしまう。いかに熱をかけないようにするか。そこが一番難しい」と若杉さhは解説する。