マグネシウムの溶接 第1回 マグネシウム合金の現状と高速鉄道車両構体への適用

摘要

マグネシウム合金は軽量であるとともに，比強度（密度あたりの引張強さ）や比面剛性が，鉄鋼材料，アルミニウム合金や樹脂よりも高いことから，構造材料として用いられている。また，発火温度を200～300°C上昇させた難燃性マグネシウム合金が開発されており，鉄道車両や航空機への適用が期待されている。これらの大型の輸送機器の構造体に難燃性マグネシウム合金を適用するためには，信頼性の高い接合技術が必要となる。本講座では，マグネシウム合金，マグネシウム合金の高速鉄道車両構体への適用に関する動向，マグネシウム合金の接合技術，そして著者らが取り組hでいる難燃性マグネシウム合金のミグ溶接について解説する。今回は，マグネシウム合金についてと，マグネシウム合金の高速鉄道車両構体への適用に関する動向について解説する。