プラスチック溶射の基礎と近年の潮流

摘要

本報では，プラスチック溶射の概要について説明し，加えて最近の研究をいくつか紹介した。 残念ながらプラスチック溶射に関して開発·研究している方はそれほど多くはないように思う。 これは，プラスチック溶射が，防食用途の「粉体塗装」の一分野として発展してきたことによるであろう。 しかしながらスーパーエンプラに見られるようにプラスチックは日々変化し，新しい機能を持つ材料が開発されつづけている。 溶射ガンや粉末供給装置の改良により，材料の変性を抑えた信頼性の高い皮膜が形成できれば，より多様なプラスチックスを製膜することが可能となり，大きなマーケットも広がるはずである。多くの研究者や技術者が，プラスチック溶射に興味を持ってくれることを期待したい。