木舞たて土壁の熱·湿気物性評価熱伝導率,湿気コンダクタンスと平衡含水率測定結果

摘要

アレルギーなどの過敏症やシックハウス症候群の原因と言われる石油由来の建材が普及していく中、居住環境の健康·快適性(断熱·調湿性能)への期待から自然由来の建材である土壁が注目されている.一方、土壁は施工の工期が長いことや高度な技術を要するため、建物は高コストとなり、その需要は期待に反し、極めて少ない.本報では、2016年第37回熱シンポで発表した伝統技能者が現場施工した木舞たて土壁の熱伝導率の測定結果に引き続き、断熱·調湿性能を評価するために重要な物性値となる湿気コンダクタンスと平衡含水率の測定を行つた結果を報告する.土壁に使用する土(中塗り土)は技能者が水温、粘土、砂の質や粒径、すさの状態に応じて混合比を調整して現場調合する.木舞立て土壁は竹木舞を下地として現場で調合された土を鏝仕上げする複合建材である.複合建材である木舞たて土壁の熱·湿気物性値の測定結果はほとhどない.