超音波デバイス：段付丸棒における軸対称SH波のトラップ－無線·無電極表面SH波振動子

摘要

丸棒の表面を周方向に伝播する軸対称SH波には、わずかに径の大きな領域に振動エネルギが閉じ込められるトラップモードが存在する。 エネルギトラップを利用することにより、振動していない両端を支持することができ、支持による振動エネルギの漏洩を防ぐことができる。EMAR法（電磁超音波共鳴法）により振動を遠隔的に操作することで、無線·無電極化が可能となる。 軸対称SH波は横波であるため、液体中への振動エネルギの漏洩が軽減される。 また、表面波であるため表面での吸着物質に高い感度をもつことが期待できる。 このように、軸対称SH波のトラップモードを利用することで、従来のセンサでの問題点が解決されることが期待できる。 ここでは、軸対称SH波のトラップモードにおいて径の異なる領域に振動エネルギが閉じ込められることを理論的に示した後、実験的にその存在を確認する。 また、トラップモードを用いた共振周波数の非接触測定法について紹介する。