2012年の技術と成果〔6〕薄膜コーティング装置およびコーティング事業

摘要

2012年は前年秋に発生したタイでの大洪水の影響を残したまま年が明け、春以降ようやく景気回復が軌道に乗ったものの、夏には電力不足による計画停電への対応を余儀なくされ、さらに秋以降は日中関係の悪化に起因して景気が後退局面へ展開するなど、まさに目まぐるしく市場環境が変化した一年であった。このようななか当事業分野においては、14種類以上のバリエーションを誇る「ジニアスコート」薄膜ラインナップを揃え、国内3拠点（京都2拠点、群馬1拠点）と海外6拠点（中国4拠点、タイ1拠点、インド1拠点）における受託コーティング事業を展開するとともに、薄膜コーティング装置の製造·販売、そして新しい装置·プロセス·膜·応用製品の開発に取り組hでいる。2012年は、自動車関連市場におけるDLC（ダイヤモンド状炭素、Diamond-Like Carbon）コーティングサービスおよび薄膜コーティング装置販売が比較的順調に推移したが、これも長年培ってきた多種多様なソリューションの蓄積によってお客様のご要望にお応えすることができたものと考えている。本稿では、当該年の主だった開発成果を紹介する。