有機太陽電池界面の長距離電子的相互作用：時間分解電子スピン共鳴法による電子状態解析

摘要

共役系高分子とフラーレン誘導体による混合膜を光活性層に用いる有機薄膜太陽電池1）は，現在主流のシリコン系太陽電池（変換効率最大25％程度）よりも小型で低コスト，柔軟性に富hだ次世代太陽電池として注目され，最近では変換効率が約12％まで向上し，実用化が期待されている。有機薄膜太陽電池の材料であるフラーレンや高分子は，光を電気の担い手である電荷に変え，さらに生まれた電荷を電極に向けて輸送する重要な役割を担う。