住友化学がサウジアラムコと提携石油精製·石油化学コンプレックス立地へ

摘要

住友化学とサウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは5月9日，サウジアラビアの紅海沿岸の都市ラービグに合弁の石油精製·石油化学の一貫操業の大型プラントを建設することで合意したと同時発表した。 両社は今後，共同してフィージビリテイ·スタディ（企業化調査，FS）を実施，計画の実現に向けて取り組hでいくこととなる。 　 この計画はラービグにおける石油精製と石油化学との統合コンプレックス開発計画であり，ラービグ計画と命名された。 　 住友化学が発表したニュースリリースによると，この計画は，石油会社と石油化学会社とがお互いの強みを生かして，石油精製と石油化学の統合コンプレックスの世界長大級のプラントを建設することでスケールメリットを追求するとともに，両事業の完全な統合によりシナジー効果を最大限に発揮しようとするもの。 　 中東産油国と消費国の石油化学企業の合弁事業というとイラン·ジャパン石油化学が想起されるが，これはパーレビ体制の崩壊＝ホメイニ革命，これに続くイラン·イラク戦争という中東情勢の最大の混乱のなかで三井グループは撤退を余儀なくされた。 また，サウジアラムコと日本の石油会社との日本における合弁精製プラント建設も不成功に終わった。 　 今回のラービグ計画が成功すれば，日本とサウジアラビアとの関係はより強化されることは確実で，経済産業省でも期待をもって見守っていきたいとしている。