天候と原油高に支えられ増収増益今期は値下げと需要減で減収減益

摘要

電力10社の17年度決算（単独）は，当初の減収減益見通しを覆す好決算に終始した。 比較的暑い夏と記韓的な厳冬に後押しされたほか，電力各社の値下げと原油の独歩高が電気料金の割安感を助長し，需要電力が電力会社からの購入へシフトしたため，販売量が予想を大きく上回る水準へ拡大したことによる。 販売電力量は10社合計8,825億kWh台で，前年を2.0％，見通しを3.3％も上回った。 前年割れや計画割れは1社も出なかった。 中でもこれまで後退色を強めていた中部，北陸，関西が計画を5％前後も上回り，中3社の健闘が目立った。 売上高は14兆8,635億円で1.1％の増収。当初見通し（2.9％減）を5,905億円も上回った。電力需要の増加と燃料費調整値上げによる。 しかし，料金値下げの影響で伸びは販売電力量の半分。 10社とも値下げの影響を受けた。 経常利益は1兆1,696億円で11.0の減益。 当初見通し（14.7％減）を486億円上回った。為替と原油価格が予想より円安·燃料高へ展開したことで大幅に増えた燃料費の影響は，燃料費調整値上げで売上高に計上されたため軽微にとどまった。 純利益は7,545億円で4.4％の増益。 当初見通し（1.2％減）を408億円も上回った。当初見通しに届かなかったところは東北と中部，中国の3社だけ。 18年度決算では減収減益が予想されている。 電力需要に1.5％の反動減が想定されたほか，4月に東京と中部，関西，九州の4社が料金を引き下げたのをはじめ，残る6社も7月に値下げするため，売上高に0.9％の減収が見込まれた。 経常利益は1兆900億円で6.8％の減益，純利益は6,830億円で9.6％の減益が見込まれている。