LPガス設備無断撤去問題省令改正で罰則盛り込む

摘要

昨年の旬刊セキツウの夏季LPガス特集号（8月1日号）で「LPガス設備の無断撤去問題」を掲載して，その早急な対応策の必要性を液化石油ガス法の改正をも視野に訴えたが，その後も電気工事店等による無断撤去は続いている。 しかし，LPガス業界の対抗策や行政サイドの政策的対応もかなり進展して，液石法改正までには至らないものの，その施行規則の改正などは次第に具体化してきた（無断撤去の背景·危険性·具体的事例については上記本誌を参照されたい）。 LPガス設備の無断撤去は大事故につながる危険性が高く，いつまでも放置しておくことができないのは当然だし，消費者が契約上のトラブルに巻き込まれる事態も少なからず発生している。 LPガスとともに家庭用のエネルギーを供給している電気や都市ガス事業を親制·法制化している電気事業法やガス車業法では「設備の無断撤去」は厳禁されており，その内容は懲役や多額の罰金を伴う罰則が規定されている。 ところが，液石法にはその規定がない。 その危険性への認識が行故に希薄だとは思わないが，仮に大事故にでも至った場合には行扱が「不作為の違法性」を問われても仕方のないことである。 産業に係わる事故がことさら多く発生する背景には，効率性ばかりを重hじる規制凄和＝事後規制の陥宑があることは改めて指摘するまでもないことだ。 しかも，手は行政がこの10数年にわたって進めてきたエネルギー間の公正な競争の強化とも相容れない面がある。 この二つの問題を行政は早く解決しなければならない。