2008年のサウジアラムコLPガスターム契約交渉終了，数量は1,038万トン

摘要

サウジアラムコ社とLPガスコントラクトバイヤー各社の2008年のターム契約がほぼ終了，契約数量が固まった。 それによると，2008年のアラムコ社のターム供給数量は2007年比82万トン，ほど増加して1,038万トン，程度と再び1,000万トンを超えたようだ。 増加したのはやはりブタン。 2007年に米国ガソリシ需給逼迫問題からナフサが暴騰し，極東では石油化学各社がナフサからブタンへ原料シフトし，ヨーロッパでは米国向けガソリン輸出の増加からガソリン基剤として，それぞれブタン需要が急増したが，こうした事態に今年も対応することを目指して，バイヤーの中にはブタンのターム数量を増やしたところがあったほか，インドもブタンを中心に大幅増量に。 プロパンは逆に9万トン，ほど昨年比減少したもようだ。 ただ，日本勢に限っていえば，ブタンを増量契約したのはアストモスと昭和シェルだけ。 プロパンは昭和シェルを除いては減量契約。 トータルではプロパンが昨年比約10万トン減少，ブタンが約19万トンの増量，合計で9万トンの増量となっている。 2007年度上期の日本のLPガス需要は，プロパンが前年同期比2.3％減，ブタンが8.2％増，合計1.2％増となった。 「ナフサ市況リンクのブタン販売」が奏功して，「ナフサ高·ブタン安」の国際市況状況の下で石化のブタン需要が急増したものだが，ブタン輸入契約を増量して今後のそうした事態に対応するという選択はしなかった。 しかし，カタールの供給増加が始まり，アブタビも2008年から供給増，東ティモールとの新規ターム契約をアストモスが締結するなど，数量的安定供給は確保されそうであるにもかかわらず，対サウジアラムコとの契約量は小幅とはいえ増加。 品質を含むラスト·リゾートとしてのサウジアラビア依存の安心感が成せる業ということか。