電力用急増が6カ月ぶりに需要をプラスに押し上げる＝12月分LPガス需給概況＝

摘要

12月のLPガス需要は前年同月比3.3％増の1,834千トンとなった。 12月の出荷量が180万トン台となったのは2年ぶりのこと。 直納船による電力向け出荷が急増したことで6カ月ぶりのプラスとなった。 12月の仕切価格大幅下げに伴う11月の大量買い控えから，12月にはもっと反動増が期待されたが，消費マインドの低下と平年を全国的に1°C以上も上回る暖かさが響いて，一般用はプロパンが辛うじて前年並みを維持したにとどまった。 ブタンは都市ガス用，化学原料用の低迷で大幅減少となった。 しかし，大口需要のうち電力用が昨年12月の2.4倍に増加し，これがLPガストータルの需要を押し上げた。 東京電力の3杯の受け入れが効いたものだ。一方供給は，国内生産が37万トンと低水準，輸入が116万トンとそこそこだったが前年を下回り，合計153万トンとなった。 この結果，在庫は月間31万トン減少の237万トンとなった。 減少量は大幅だったものの，在庫水準は昨年12月が低かったこともあって前年同月末比116.7％。 うちランニング在庫69万ト，で同1.9倍となっている。 サウジアラビアの2～3月の供給力ットはあるが，需要が低迷していることを考えると，現時点では国内需給のタイト化を懸念するはどではない。元売各社の2月仕切改定幅は2,500～6,100円／トンの上げとなった。昨年8月以来6カ月ぶりの上げ改定となった。 12月輸入通関CIF価格では，11月に比べて更に「LPG安·LNG高」が強まった。