8月大幅値上げ睨み底上げに動くガソリン市況

摘要

鬱陶しい梅雨も間もなく明け，今年も猛暑の時期を迎える。 暑い夏をひときわ暑くしいているのが，各地で進むガソリン市況修復への取組みと，再び鎌首をもたげ始めた原油市況の動静。今回は新日本石油完全子会社の率先を受けて，他の元売子会社も販売価格を上方修正し始め，133～138円／lの価格表示が増えてきたが，一部では120円台後半の市況も残存。 是正は道半ばといった状況だが，約2カ月ぶりに高値を更新した原油市況により，8月には更に3～4円もの新たなコストアップが待ち受ける。元売では既に，出光興産が7月後半分の仕切価格を2.4円値上げすると発表。 同社は8月月初にも1円程度の追加値上げを予告するなど，ひと足早く8月値上げモードに突入。 後続他社も3～4円の仕切上げ予想をアナウンスするなど，一部で散見される「再値下げ」の動きを牽制している。高価格化による消費者の節約意識で，ガソリンの減版も深刻化し，これが末端下げの原因となったが，8月には140円の声も聞かれるなか，もはや減販を気にする余裕は業界にはない。 上期の収支回復のために，地域の生業SSを潰さないために，業界挙げて適正市況構築に取り組むべきだ。