家庭用は調整値上げ幅を半分に圧縮大口は上げ幅大きく，自家発へ移行か＝1～3月検針分の燃料費調整単価＝

摘要

7～9月に輸入通関された原油とLNG，石炭の円建て価格が急騰した。 特に原油は歴史的な史上最高値へ上がった。 燃料の円建て輸入価格の値上がり分挿3カ月後，輸入通関時点から起算すると6カ月後にあたる来年1～3月の電気料金に上乗せされる。 輸入燃料価格や為替の変動に伴うコスト変化を，迅速に電気料金に反映させる燃料費調整制度に基づく値上げである。 しかし，調整値上げの場合は値上がり分の50％までと制限されているが，今国は北陸電力など3社の値上がり分が50％を超えた。 また，1～3月分に適用される調整値上げは，現行10～12月分から大幅になることに目をつけた政治家がいた。 二階経済産業大臣が唐突に，値上げ幅の圧縮を電力·都市ガス両業界に要請したのである。 巷では総選挙が取り沙汰されていた時期だったため，ルールを捻じ曲げても選挙に利用しようとする権力者の旧態依然と映る。 電気料金の値上がりは国際競争力を損なうためという当初の値下げ根拠が，いつの間にか家庭用に限ると変化，最終的には小売が自由化されていない規制部門に限定された。 経済産業省と両業界の調整で，電力はいわゆる低圧分の調整値上げ幅を半分に圧縮することを受け入れた。 残りの半分は更に4等分し，来年度の4四半期で均等に回収するという条件付で。ホームランでもファウルと判定したへボ審判でさえ罷免されないのは，野球観戦を楽しむためには，ルールに基づいて公平で正しいジャッジを下す審判が不可欠と，誰もが認めているからである。 政治家にルールを捻じ曲げる権利などない。品質から身体になhの影響も及ぼさない食品の賞味期限改ざhでさえ，お縄を頂戴する時代である。 1～3月は値上がりだが4～6月は値下がりが確実な状況が早くから明らかなだけに，「激変緩和措置」は政治家の身勝手な権力の乱用にしかみえない。残念！