使い勝手の悪さを改善した石油スワップ卸価格指標として認知されるか

摘要

現在，国内の石油製品の現物取引の指標としては，RIMヤプラツツ，OPIS等の価格情報機関，OTC市場価格，TOCOM先物価格などがあるが，各価格とも相対的な一長一短が指摘され ている。TOCOM先物価格も，受渡期間が長く 現物市場の取引と時間的なズレが生じていること （1カ月早く取引最終日を迎えるため現物市場と 1カ月の時差），現物市場で利用されている月間 平均価格による取引に対応できないこと，最もニ ーズが高い京浜地区の陸上取引がないなど使い勝 手の悪さが指摘されてきた。4月にまとまった経 済産業省の「石油精製·流通研究会」の最終報告 書でも，現金決済型の新たな先物市場の創設によ って需給が適切に反映されたタイムリー性の高い 指標価格が発信されることが期待される旨の指摘がなされている。