原油市況，大幅反発後は乱高下仕切上昇，産燃油値上げ交渉始まる

摘要

原油市況は8月末に大きく反騰，その後ば乱高下気味で推移している。9月入り後の元売過決め仕切はコスト上昇を受けて2円／lほど上昇し，末端SSガソリン店頭価格も120円／l台の安値量販店が2円／l以上の値上げに踏み切っている。一方，7～8月のスポット市況急落や仕切の連続値下げを受けて，8月の産燃油市況は大きく億を下げたが，9月以降の仕切についてはJXが大幅な値下げ調整をするとともに，その後の調整はしないと宣言した。これが9月分の需要家納め価格の値取りに大きく影響しているようだ。8月25日に42ドル／バーレル合まで下げたドバイ原油はその後反騰し，9月は50ドル超でスタートした。8月後半の産燃油市場は，需要低迷下の原油の下げでスポット市場に安値玉が出回るという下げ局面の典型的な展開となり，続いて8月末の原油反騰をみて，仕切が反属する前に駆け込みで安値売り込みして数量を稼ごうとする動きが強まった。その結果，需要家納めの大口安値8月分価格はA重油で46円／l前後，工灯やインタンク軽油も49円／l前後に下げて7月分価格比で6円／l前後の下落となったが，9月入り後は元売仕切が相次いで引き上げられ，陸上スポット市況も反騰している。8月までの安値売込みは収まりつつあり，需要家との9月値取り交渉は早速50円／l超へ値上げ申し入れするケースも増えてきているが，月後半のコスト情勢を見極めようとする様子見のディーラーも少なくないようだ。