電力除き·年率1.0％増で29年度需要15,957千トン想定

摘要

6月11日に開かれた第11回総合エネルギー開査会石油市場動向委員会（委員長·橘川武郎一橋大学大学院商学研究科教授）で「平成25～29年度石油製品需要見通し」が需要想定委員会の原案どおり了承された。2011年3月11日の東日本大震災で石油製品·LPガス供給が危機に瀕し，非常事態対応を迫られたことから，「この先5年間の需要見通し」を策定する条件がなかったため，しばらく見送られてきたが，今回「ようやく需給の危横的状況を脱した」として策定作業が3年ぶりに再開されていたもの。ただ，依然として先行き不透明な状況が残っているのは，燃料油では「電力用のC重油」とLPガスでは「電力用LPガス」の各需要。この2油種は原子力発電の稼働状況と密接に関係してくるため，その再稼働やその前提となる40年廃炉問題·活断層問題の方針が明確になっていない下では，需要見通し自体が立たない。したがって，石油市場動向委員会では「電力用C重油と電力用LPガスを外した需要見通しを策定せざるを得なかった」（橋川委員長）。さて，7承された「平成25～29年度石油製品需要見通し」では，燃料油需要見通しは（電力Cを除く）24～29年度の平均伸び率は（－）1.8％で漸減して，最終29年度には24年度此8.8％減の1億6,217万klと示された。電力Cを原発事故特需で24年度実績1,962万klの横ばいと置いた場合にも1億8,179万klとなる見通しとなった。需要の減退はジェット燃料油を除く全油種でマイナスが見込まれた。燃料油トータルで年率マイナス1.8％の1憶6,217万klにまで落ち込hでしまう。24年度実績が1億7,791万klだから5年先には1,574万klも減少する。電力C重油は24年度実績が1,962万klだが，これは原発率放で原発がほぼ全面的に停止したため，C重油に特需が発生したもの。事故前の電力Cは613万klだったから，仮に原発再稼働が相次いだ場合にもとても29年度1億8,179万klとはなりそうにもない。一方，電力用除きのLPガス需要見通しは，24～29年度の平均伸び率が（＋）1.0％で，最終29年度には24年度比4.9％増の1,596万トンとなった。電力用LPガスを24年度実績158万トンの横ばいと置いた場合には，平均伸び率（＋）0.9％，4.4％増の1,754万トンとなる。