都市ガス業界のCO2削減需要開発と軌を一にして取り組み

摘要

日本ガス協会はこのほど，都市ガス業界のCO2削減の現状と今後の取り組みをまとめた「低炭素社会実行計画」を発表した。わが国ではこのところ，原発問題の陰に隠れて地球温暖化問題は積極的に議論されなくなっている。実際またわが国は昨年，京都議定書の第一拘束期間が終了するのに伴いCOPからの離脱を表明してもいる。米国や中国，インドなどの取り組みに不満を抱いての離脱だったわけだが，もちろhこれでわが国が地球温暖化問題から解放されたわけではなく，いずれまたCOPへ復帰するだろうし，今後取り組みを続けなければならないのは当然のこと。今後は安倍政権による原発政策がどうなるかが大きな鍵となる。そうした一方で都市ガス業界はこれまで，天然ガスのCO2排出量が石油に比べて約4分の3といった低い水準であることを前面に工算用分野などで燃料転換を図ってきた。これまでの重油等からの燃転ば価格競争よりこの地球環境問題への対応が大きく，そこに政府の様々な支援策が加わった結果だ。都市ガス業界は今後も燃転→需要開拓を進めるに当たって地球温暖化問題を前面に積極的な展開を図るだろうが，特に今後原発の稼働が減れば火力でのLNGの使用が増加するのと同時に，工業用等の分野で天然ガス＝都市ガスへの期待が高まるのは必至で，競合他燃料にとっては恨めしいとしかいいようのない地球温暖化問題だ。