またもLNG高騰で「増収減益」都市ガス大手4社の24年3月期中間

摘要

都市ガス大手4社（東京，大阪，東邦，西部）はこのほど平成24年3月期中間決算（連結）を発表したが，原料LNG価格高騰の影響で4社揃って「増収減益」だった。都市ガス各社の決算は以前はほとhどが横並びで，電力と同じようにエネ庁の規制下にある特異な事業の特徴が顕著だったが，最近は大口部門の自由化の影響で各社各様が目立っていた。しかし，当中間決算では4社揃って「増収減益」で，それも収益は小幅で減益は大幅と揃って似たような傾向を示し過去に逆戻りをした格好となった。それだけ原料LNG価格の高騰が今年度上半期は4社をもろに直撃したといえるのだが，実は1年前の本誌でも4社の中間決算は「LNG価格高騰で各社『増収減益』」と今年度と同じ様相だったことを紹介している。つまり，2期連続で都市ガス大手4社の中間期はLNG価格の影響を受けて「増収減益」だったわけで何とも面白みのない話になってしまうが，1年前と異なるのはLNG価格の高騰は同じでもガス販売の伸びが今年上半期は4社とも著しく落ちていることだ。前中間期では4社のガス販売量は前年比6.0～11.3％の増加だったのに対して，当中間期は表①に示すように東京と東邦など前年割れとなったいるのだ。それでも4社とも売上高がプラスとなったのは，LNG価格高騰の影響を受けて新「原料費調整制度」によるガス料金単価の引き上げがあったためで，決して事業が好調だったわけではない。いい換えれば前中間期と同じ「増収減益」でも今年の中間期の決算内容は決して芳しいものではないということで，今年度の適期見通しも4社は揃って「増収減益」と引き続き事業の低迷を予測して今後の事業展開の厳しさを打ち出している。