都市ガス改革の成果明らかに家庭用自由化への議論期待

摘要

都市ガス事業改革を検討している総合資源エネルギー調査会都市熟エネルギー部会は今月1日,下部組織として設置している制度改革評価小委員会の第4回会合を開き，政策目標のこれまでの達成状況について評価·検証を行ったが，既存都市ガスのガス料金低減や自由化分野である大口供給への新規参入者の進出，諸外国との内外価格差縮小など改革の成果が白日の下に明らかになった。 同小委員会は昨年10月に，今後の都市ガス改革を本格論議する前にこれまでの成果を検証しようという目的で設置されたもので，これまで評価項目の検討を手始めに，大口供給への新規参入者へのヒアリングや大口ユーザーの実態調査等を実施してきた。 今回は政策目凛の達成状況について，昨年3月に制度·運用検討WGが「今後のガス事業制度改革における検討課題について」の中で指摘した①需要家利益の確保·最大化の観点，②効率的·安定的なガス供給体制の整備の観点，③公正な競争確保の観点－からそれぞれ評価·検証を行い，次の改革につなげようというもので，達成状況がエネ庁事務局から明らかにされた。本誌でもこれまで改革の成果をいくらか紹介してきたが，結果は予想したとおり託送問題などいくつか課題は残されているものの全体的に極めて達成度が高く，自由化によるマイナス面はほとhど見当たらないといっていい状況。 むしろ改革が断行されていなければ現在どうなっていたか，ぞっとするくらいの内容だ。 今後はこうした成果をいかに家庭用自由化まで拡大し，競争促進によるガス料金の更なる引き下げやサービスの向上，内外·内々価格差の一層の是正，未来志向の都市ガス事業へつなげていくか前向きな議論が期待されるが，これまでのエネ庁の改革努力をもってすればこれからの艶局も十分乗り切れると確信する。