難航する産燃油市場のコスト転嫁寒気到来で11月値上げどこまで

摘要

10月の産燃油市場は，9月後半からの原油市況上昇などによる仕入れコストの上昇を受けてA重油安値で55円／lボトム程度への底上げを図った。しかし，10月後半になると原油市況が弱含hで80ドル／バーレルを割り込み，再度の円高急伸や需要不振による損切りも加わってスポット市況が反落したことなどで値取り未達となったケースが大勢となったようだ。A重油の大口安値は52円／l前後の低水準のまま推移している。11月に入ってからの原油市況は，円高によるコスト相殺を上回る上昇となっている。加えて西日本でも最低気温が10°Cを下回るようになり，軽油の輸出好調なども手伝ってようやく中間三晶需給が締まってきて安値スポット玉も少なくなってきた。A重油値取りでは11月前半に様子見を決め込hでいたディーラーも，後半の価格交渉では再び安値部分の3円／l前後の値上げを目指す動きとなっているようだ。まずは再度55円／l超を目指すことになりそうだが，上げ幅については，「11月ほ上げは上げだが上げ幅がどれくらいになるか依然不透明だ。月後半に上げ幅がハツキリするまで動きようがない」（中堅産燃油ディーラー）との声もあるようで，本格的な値上げ交渉は月後半に持ち越されている。