猛暑去って需要不振再来石油製品市況の下げ加速

摘要

7月中旬の梅雨明け以降，歴史的な猛暑となった日本列島だが，9月の台風一過の後はようやく涼風が吹き始めたようだ。猛暑で石油需要はガソリンを先頭に予想を上回る伸びをみせたが，この後はどうか。15年ぶりの円高や8月後半の原油市況下落によるコスト下落にもかかわらず，石油製品卸市況は下げ渋って高水準が続いたが，その要因となった高水準に推移したローリースポット市況も8月未からようやく下げ足を速めつつあるようだ。安値玉が出てくる背景には，下げ局面につきものの高値在庫と安値仕入れとの入れ替えに伴う投げ売り，目を光らせる元売の監視をかいくぐっての製品輸入，9月限納会で50円／lを割ったTOCOMのガソリン先物玉，それにA重油を筆頭とする引き続く需要不振などがあるようだが，これに対して元売各社はJXが10月から実施する新·新任切などで市況引き締めを図っていく方針のようだ。8月後半の原油市況下落や円高急伸を先取りする形で，ガソリン市況は一部の激戦地で軟化が進hでおり，産業用燃料油の9月分需要家納め価格交渉では3円／l前後もの大幅な値下げ要求が日立っている。需要不振が続く中で，生·販，及び販·消の価格交渉は厳しさを増すばかりだが，この下げ局面，コスト下落分そこそこの下げに止める市況構築となるのだろうか。