LPガスはエネルギー基本計画でどのように評価され描かれたか

摘要

6月8即こ閣議決定された，今後の日本のエネルギー政策のベースとなる「エネルギー基本計画」について，記者はその中心に据えられたテーマと基本計画が今後の日本の石油産業に及ぼす影響の大きさについて，それぞれ本誌6月20日号，7月1日号で検討してきた。今回は「エネルギー基本計画（3）」として「LPガスがどう扱われているのか」をみていきたい。本来なら「ガス体エネルギーの置かれた位置」という観点からみていくべきなのだろうが，その概要が不十分ながら担当記者によって7月1日号に掲載されているので，ここでは「LPガス」を取り扱うこととする。それにつけてもこの「改訂エネルギー基本計画」は，これを論ずる者の理解度と力量を如実に示すものとなっている。「基本計画」理解の最も陥りやすいワナは，これが民主党政権下で策定されたという，単にそれだけの事実でもって「民主党のエネルギー政策を反映したもの」と単純に捉えてしまうことである。確かに直嶋経済産業大臣もこの審議会に出席したし，副大臣·政務官は誰かが毎回出席していた。しかしながら，彼らが審議を主導したかというとそうではない。また，各業界がその代表を送り込hで侃々諤々の議論を展開したかというと，もちろhそうではない。この審議会は最後の第4回の基本計画委員会と石油分科会の合同会議において，初めて業界代表が意見を公式に述べたのである。それまでに業界からのヒアリングはあり，それは「基本計画」の中に反映されてはいるが，いわゆる学識者委員と資源エネルギー庁役人によって進められたのである。したがって，この基本計画ほど経済産業省官僚の思想が強く反映されたものは，近年では珍しいものとなっている。