OPEC生産目標据え置きで合意

摘要

OPECは5日，UAEの首都アブダビで第146回臨時総会を開催し，9月の総会で決めた生産目標2,725万バーレル／日（イラクとアンゴラ及び今総会で再加盟した土クアドル除きのOPEC10）を据え置くことで合意した。 また，新しく加盟したアンゴラ，エクアドルに対してそれぞれ190万バーレル／日，52万バーレル／日の生産目標を設定した。 これにより，イラクを除いた12カ国合計の生産目標は2,967万バーレル／日となる。 一時は100ドル／バーレルの大台に迫ったWTIが，OPECが今総会で増産を決めるとの観測から11月未に88ドル台に下落したことが，結果的に増産見送りにつながったといえる。 しかし，高値容認とも受け取れる今回のOPECの増産見送り決定に対して消費国からの批判は避けられそうにもない。 総会閉幕後，ハミリOPEC議長は「われわれは十分原油を供給している。 原油高騰はファンダメンタルズではなく投機によるもの」と発言，批判の矛先をかわす一方で，来年2月1日に臨時総会を開き，改めてそこで対応を協議することを決め，一応は消費国側への配慮を示した。 総会決定を受けた5日，WTIは反発し，一時は90ドル台まで戻したが，米国石油製品在庫の増加を受けて終値は87ドル／バーレルへと続落，約1カ月半ぶりの安値をつけている。