原油高と寒波で商況上向くガソリン，灯油の1月商戦

摘要

1月上旬に80ドル／バーレルを突き抜けた原油市況だが，寒気の後退や米国の株安，中国景気の先行き不安などから，72～74ドル台に続落。国内先物価格や業転市況も連れてピークアウトし，仕切基準価格も1月最終週から反落に転じている。とはいえ，1月の元売仕切には原油高騰の影響が残り，1月月間では燃料油平均2円／l強のコストアップとなった。小売市場では，民灯，ガソリンがいち早くコスト上昇に反応。ガソリンは1月半ばから3～5円，陥没地では一挙10円近い是正進展がみられ，SS店頭では123～130円の表示が拡大。灯油もSS，生協，巡回売り，ホームセンターなど各チャネルで値上げが相次ぎ，65～75円の相場となってきた。暖冬予報を裏切る冬型気圧配置の定着と，日本海側の大雪で，海陸配送にも支障が出て一時は品薄感も強まったが，質量ともまずまずの商況に灯油関係者の表情も明るい。コスト反落と気温上昇の中で迎える2月は，12月ほどではないにせよ，不毛な価格競争再燃のおそれも漂う。とはいえ，ようやく最悪期を脱した販売業界。採算販売にシフトしたばかりで，新年度を待たずに元の木阿弥では空しすぎる。2月末には卸相場の主役も灯油からガソリンへと切り替わる。供給過剰や資本格差など，様々な問題が横たわるSS業界だが，年初の前進をきっかけに今年こそ経営安定が実感できる年にしたいものだ。