「世界の石油化学製品の今後の需給動向」平成17年5月17日＝経済産業省製造産業局化学課＝

摘要

経済産業省製造産業局化学課はこのはど「世界の石油化学製品の今後の需給動向について」をとりまとめた。これは昨年度に続くもので，内外の石油化学製品の需給動向を見通すため，「世界の石油化学製品の今後の需給動向に関する研究会」での議論を踏まえ，エチレン系·プロピレン系·芳香族製品等の石油化学製品について，2009年度までの世界の需給動向をとりまとめたもの。石油化学の世界でも2003～2004年と中国を中心とするアジアの需給動向が大きな注目を集めた。中国の急速な経済成長による石油化学製品需要の急増は，その他の原材料市場と同様，世界経済を強力にしてきた。 すべての原材料や製品を中国がガブ呑みしている，といわれたとおり，石油·石炭·鉄鉱石·石化製品等々が中国へ，中国へと流れ，それが原油価格急騰の一因となり，各種船舶需給までをもタイト化させた。 石化製品市況も一時はエチレンの1，300ドル／トンに代表されるように急騰した。 原料高に苦しhでいた米国の石油化学も中国·アジアの需要急増で息を吹き返したし，ヨーロッパや日本の石化もこれで大きく成長した。 ところが，ここに来て少し様相が変わってきた。中国の買い控えが目立ち始めたのに加え，新規エチレンプラントの稼働で輸入動向が大きく変化し始めたのだ。エチレン市況は700ドルにまで低下している。 北京五輪，更には上海万博までは続くだろうとみられていた中国経済はどうなるのか。 世界の石化製品需給は今後どうなっていくのか。 石油価格は？。こうしたときにとりまとめられた今回の化学課の石化産業の見通しは，実にタイムリーなものとなっている。 紹介しておくことにしよう。