5月値上げ必至の産燃油市場需要家も抜本的高油価対策必要

摘要

11日のドバイ原油東京市況終値は63.85ドル／バーレルをつけ4月に入って三度目の史上最高値更新となった。 将来の供給不安を増幅して動く投機資金の流入で原油市況は夏の需要期を前にした端境期に早くも騰勢を強めている。 昨年夏のようなハリケーン被害が再来するとWTI原油で80ドル／バーレル突破は確実で，イランの石油輸出停止ともなると100ドル／バーレル突破もありうるという観測もされているようだ。 産業用中間三品市場では，今冬の灯油の供給逼迫懸念等を背景に原油コスト上昇分の需要家納め価格への大幅なコスト転嫁がなされたばかりだが，4月の再度の原油市況高騰を受けて5月仕切打ち出しは2円／lを超える値上げとなってきそうで，再値上げの交渉が待ったなしの情勢となってきた。年明けから3月までの値上げで大口納め価格は安値でもほぼ55円／l（インタンク軽油87円／l）超となっているが，今後展開される値上げ交渉では需要家納めで60円／lが視野に入ってきたようだ。 まさに超高油価時代の到来となっているわけだが，需要家が燃転せずに今後も油を使い続けるつもりなら，そして石油販売業界と需要家が共倒れとならないようにするには，需要家側も原油コストの上昇分をキチンと運賃なり生産品価格なりに転嫁していかなければならないということだ。