全石連「SS数の将来予測」をみて

摘要

今年も年度末が近づいてきた。 1月からの課題であるガソリン市況の是正は，業転高騰等を背景に3月からようやく本格化する見込みだが，その市況是正と密接に関連するのがセルフSSの動向。今年度も着実に増え続け，今年度未には3,500カ所，元売セルフだけで3,000カ所に達する見込みとなった。 特に，販売子会社を通じた元売のセルフ投資は活発で，末端市況形成に大きな影響力を及ぼすまでになってきた。 　 一方，こうした元売の小売進出の影で，独立資本業者を中心にSS総数は減少の一途。 全石連（政策·環境部会）がまとめた「石油販売業将来像研究会報告書」によると，今後6年間でなお20％，1万カ所近いSSが減少する見通しだ。 元売の不公平な仕切政策や子会社優先の販売方針，異業種の参入加速，環境コストの増大など，SS業界を取り巻く環境は今後も一段と厳しさを増し，黒字転換が見込めないSSは即退場を迫られる。石油販売業界が自ら描いたSS業界の近未来図は，あまりにも寒々しいものだが，現実はこの予測をも上回る勢いで変化が進hでいる。 　 規制緩和·自由化から8年。 「石油販売業者が採算販売に徹し，未来に向けて企業体質の向上に取り組むには，今がラストチャンス」と全石連ではいう。 しかし，多くの中小独立系SS業者は右肩下がりのSS数シミュレーションをみて，自らの将来を重ね合わせているのではないだろうか。