原油市況高騰，国内需給超タイトで新年度官公庁入札価格が暴騰

摘要

3月末から4月前半にかけて開札された新年度分の官公需石油製品入札結果が出揃った。 原油市況が3月に入って連日史上最高値を更新する中で応札となった新年度入札は，寒気の流れ込みが長引いた上に，国内市場においても在庫が減少して需給が逼迫，元売各社も供給を絞り，応札ディーラー各社は応札しようにもモノがないという前代未聞の超供給逼迫状況の中で実施された。 供給逼迫は3月後半から4月にかけてピークとなったが，3月前半から始まった応札では逼迫感への危機意識が薄いディーラーも少なくなかったようで，3月までの価格に原油市況上昇分のコストを転嫁した40円／l前後での応札が少なくなかった。しかし，モノ不足は3月後半から一段と強まり，コスト情勢と需給情勢を見極めた上で月末ぎりぎりの応札を目指していた慎重派のディーラーは応札見送りへと態度を変えた。元売各社は在庫不足を理由に安定需要家向けの陸上ローリー届けを優先，このために供給安定時の余剰玉を安値で購入していたスポット調達需要家や官公需でモノ不足が大きく表面化，中でも海上船舶向け燃料油が暴騰することとなった。