九電力の石油受入量は前年の3％増高温と渇水などで石油離れが小休止

摘要

九電力が17年度上期に受け入れた石油は710万kl弱と集計され，前年同期を3.2％上回った。 消費量では4.6％の前年割れに終わっているが，在庫補充などのため受入れ量が消費量を40万kl強ほど上回った。 石油の健闘は，高温と渇水で電力需要が予想を上回った一方，水力発電量が後退したためだ。 非石油燃料の消費量は前年を2％ほど上回っており，引き続き拡大傾向を保っている。 上期の九電力の発受電量（発電端需要）は4、727億kWhで，前年同期の99.8％へ後退した。 昨年の実績が気象観測史上最高の気温によって半期の最高を記録していたことを考慮すると，好調な足取りといえる。 ちなみに，上期の実績は九電力の計画を1.7％も上回っている。 九社とも計画を上回っているが，中でも中部と北陸，四国の伸びが高く，愛知万博による底上げ効果などもうかがわせている。出水事情も火力の出番を増やした。 九モカの平均出水率は93.9％で，前年同期の103.8％を10ポイントも下回る渇水に終わった。 そのため，水力発電量は九電力分で8.8％の前年割れを余儀なくされたことから，他社からの受電も減ったはず。 原子力は九電力分が前年を3.2％上回ったが，他社受電分が激減したため，全体では微増にとどまり，火力の出番を落とすことにはならなかった。こうした電力需給結果によって，九電力の火力発電量は前年を1.2％上回った。 伸びは小幅だが，高温や渇水，原子力の不調などから，想定された規模を上回った公算が大きく，電力向け石油需要の縮小傾向は小休止していたことになる。