ポリ乳酸射出成形による自動車部品の開発と今後の展望

摘要

軽くて丈夫で腐らないという理由で，戦後の高度成長期に目覚しい発展を遂げた（石油由来の）プラスチック材料ではあるが，最近の環境問題に絡hですっかり悪者にされてしまった感がある。特に，これらプラスチック材料を焼却処理する際には，ダイオキシンなどの有毒ガスや地球温境化の原因となる多量の炭酸ガスを発生することがその主因であろう。これらの環境問題に対処するには我々も常日頃より，Recycle，Reduce，Reuseのいわゆる3Rに心がけることは重要であるが，他の対策として地球環境（土壌や海水中）で環境低負荷物質に分解される生分解性高分子の利用が注目されてきた。広島大学の研究グループではすでに1990年頃より，この生分解性高分子の新規開発に取組hでおり，近年は特に資源循環型の生分解性高分子であるポリ乳酸（PLA）系のポリマーを中心に開発を進めている1）。