特集にあたって

摘要

石綿（いしわた、せきめh）は、蛇紋岩や角閃石等が放維状に変形した天然の鉱物のことで、耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性に非常に優れ安価であるため、日本をはじめ各国で「奇跡の鉱物」などと珍重され、建築資材、電気製品、自動車、家庭用品等、様々な用途に広く使用されてきた。しかし、空気中に飛散した石綿繊維を肺に吸入すると、肺がhや中皮腫を起こすことが疫学調査より分かってきた。そのため、各国で使用禁止の方向に向かっている。日本においても、アモサイト（茶石綿）、クロシドライト（青石綿）については、平成7年、安全衛生法施行令改正により、製造、輸入、譲渡、提供又は使用が禁止された。 その後、その他の石綿についても代替品の開発が進hできていること等を踏まえ、国民の安全確保等の観点から石綿の使用が不可欠なものではなく、かつ、技術的に代替化が可能な石綿含有製品について、その製造等を禁止とする安全衛生法施行令の改正が平成15年10月26日に公布、平成且6年10月1日に施行され、石綿は原則使用禁止となった。 そのため、国内の石綿使用量は大幅に削減されたことより、今後の石綿ばく露防止対策は、建築物の解体作業が中心となり、事業者に求める建築物の解体等の作業におけるばく露防止対策等の充実を図った単独の規則「石綿障害予防規則」が平成17年2月24日に公布され、同年7月1日に施行された。