エアフイルタへの応用に向けた ナノファイバーの形態および構造制御

摘要

人類がファイバ一（繊維）を使うようになったのは紀 元前であり、天然繊維と呼ばれる綿や羊毛など、もとも と自然界にあるものに工夫を施し、衣服などの織物製品 とし利用されていた。それから、19世紀末には初めて化 学繊維の実用化が始まり、20世紀に入るとナイロン、ポ リエステル、アクリル繊維が発明され汎用衣料品に用い られるようになり、人々の暮らしに必要不可欠なものと なった1、そして、近年では、繊維の合成法の発達によ り、以前より繊維径が非常に細い繊維が製造可能になり、 衣料品だけではなくエアフイルタ、細胞培地、人工血管、 光ファイバ一、太陽電池、航空機や自動車、スポーツ用 品など様々な分野に応用され最先端技術を支える重要な 素材となっている。そして、現在では、繊維径がナノオ 一ダーの繊維を合成することができるようになった。こ のナノファイバーは非常に大きな比表面積を持つこと、 スリップフローという現象を生じることから大きな注目 を集めている。我々の研究室ではこれまで、エアフイル タへの応用に向け、静電紡糸法を用いたナノファイバー の合成を行ってきた0ここではそれらの成果の一部をご 紹介する。，