ダス卜中の汚染物質による公衆衛生上の問題

摘要

日本では1990年代に入り、いわゆるシックハウス症候群等、化学物質による室内空気汚染が原因とされる居住者の健康問題が社会的に大きくなった。その主な背景は、省エネ対策による建物の高気密化と化学物質を放散する建材の使用量が増加したことにあると考えられている。そこで日本では、13種類の化学物質に対して室内空気中の濃度指針値が策定され、2種類の化学物質が建築基準法で使用規制されるなど、いくつかの対策が行われてきた1）。その結果、これらの化学物質の室内空気中の濃度は減少し、室内空気汚染は大きく改善されてきた2）。し