空気中イオンの発生方法

摘要

この解説は、現在使用されている空気中イオンの人為的発生方法の事例を解説したものであり、規格の一部ではない。 コロナ放電は先のとがった針状電極や細線電極に高電圧が印加すると不平等電界集中が形成され、その電界が局部的に絶縁破壊電界強度を超える事によって起こる放電である。 針に負の電圧を印加した場合、集中電界内では、空気成分分子（酸素、窒素など）から電子が離脱し、その結果これらは正イオンとなる。 離脱した電子は自由な状態で存在するか別の空気成分分子に捕獲され負イオンを形成する。 正イオンは針に引き寄せられ元の空気成分分子に戻り、負イオンは反発されて放出される。 極性を逆にすれば同様に正イオンが生じる。 また、コロナ放電でイオンが生成する時、針先での高電圧印加によりオゾンや窒素酸化物などが発生する。 最近では針先近傍の曲率を調整してコロナ放電開始電圧を下げ、印加電圧をパルス状に制御するなど、オゾンの発生を抑制する方式も考案されている。