バイオハザード対策用クラスⅡキヤゼネットのHEPAフィルタ現場検査について：粒子計数器を用いた走査試験は可能か？

摘要

バイオハザード対策用クラスⅡキャビネット（キャビネット）け,安全機器である、生物材料を取り扱う際に発生する汚染エアロゾルを作業区域に閉じ込めることによって作業者や環境を守る。同時に、作業区域に供給する清浄空気によって、取り扱う生物材料が作業室の汚染エアロゾルに汚染されることを防止する。キャビネットの性能は、キャビネットの密閉度、欠損のないHEPAフィルタ、及び前面開口部における気流バランスによる。これらの性能を規定したものは、国際的には、NSF//ANSINo.49、EN12469に代表されるが、日本の規格書は、JISK3800である。キャビネットの規格や現場検査の詳細は、これらを参照されたい。ここでは、キャビネットの現場検査全体ではなく、キャビネットを構成するHEPAフィルタの透過率試験に絞って考察する。HEPAフィルタの透過率の検査は、相対濃度計により下流側を走査試験したとき、透過率が上流側に負荷した粒子の0.01％を越えないことと規定されている。日本空気清浄協会では、JISK3800：2009に基づいた現場検査マニュアルJACANo.17D－2009を発表している。我が日本では、相対濃度計による走査試験の重要性がよく理解されていないので、再度確認したい。