触媒雑感

摘要

触媒学会の創立50周年おめでとうございます．私が「触媒」という言葉を毎日聞くようになって既に30数年が過ぎ，「触媒」はもはや私の人生の一部になっている感があります．頂いたこの機会に，日頃思う事柄について書きたいと思います．平均的な日本人のサイエンスリテラシーは，残念ながら他先進諸国と比較して低いそうです．化学を昔学hだ人でも，基本的な理解が出来ていなかったり，身の回りでどのように観察でき，利用されているかという視点が薄れてしまったりしているのかもしれませh．「触媒は見たこともないし」と，専門家にしか分からない秘密のように思われているようです．しかし，今日触媒の活躍は化学産業に留まらず，環境保全やエネルギー変換にも関わる，社会生活のキープレイヤーのひとつとなっていまず．触媒の働きと価値を広く認めてもらうために，触媒学会会員は皆，先ず身近な人たちに語りかける必要があると思います．