個性輝く

摘要

国立大学が法人化されて1年半になる。 この間良い意味でも悪い意味でも国立大学の置かれた立場は大きく変化している。その中で常に大学に求められているーつの不動のキーワードは"個性輝く"である。 しかしながら, これまでの大学を取り巻く環境やグローバル化はむしろこれとは逆行した均一の思考·志向を作り出している感がある。 あらゆる事項に関して, 効率的な点が強調されすぎたためであろう。 "個性輝く", が全てを解決するわけではないが, 人間社会が潜在的に必要としている極めて重要なキーワードであることには間違いない。 研究の面では特に必要とされるキーワードである。 研究者は流行の研究に傾倒しすぎていないだろうかと常に自問自答する必要ある。 我々が感動を覚えるのは研究の面にせよ文化の面にせよ, 見たことも聞いたこともない"個性輝く"点にある。 芸術作品においでは"個性輝く"ことがない限り感動もたらすことはないであろう。"個性輝く"は同時にオリジナルとも言い換えることができる。 素晴らしい特許も生まれる。 このように考えると, あらゆる分野において, "個性輝く"は人に感動を与えるキーワードでもあることが分かる。