カーボンとの出会いからディスプレイ開発へ

摘要

筆者の研究のスタートは，大学4年次の卒業研究のテーマとして与えられた金属超微粒子の作製とその結晶学的評価に遡ります．4年次の研究室配属は，電子回折，高分解能電子顕微鏡などの研究が行われていた上田良二先生の研究室（名古屋大学工学部応用物理学科）に入れていただき，超微粒子の研究を始めることになりました．低圧の不活性ガスの中で金属などの固体を蒸発するガス蒸発法という方法で，数～100nmくらいのサイズの超微粒子を作製して，結晶成長や物性を明らかにする研究です．ガスの種類や圧力，蒸発温度などの条件を変えると，結晶の形状や構造などがそのつど変化します，電子顕微鏡でのぞくと，こうしてできたすすの微粒子は一つひとつが美しい結晶の顔を見せてくれます．