CVDダイヤモンドの高速成長

摘要

ダイヤモンドは優れた半導体特性を有し，そのデバイス化が期待されている．半導体として利用される材料には，特に均質性が要求されるので，天然産でなく合成ダイヤモンドを使用する必要がある．これまで合成ダイヤモンドといえば高温高圧（HPHT）条件下で合成されるものを指していた．近年，減圧下で気相から合成されるCVD（化学気相成長）ダイヤモンドの高速合成が報告され汪目されている．HPHTダイヤモンドは1㎝程度の結晶合成が報告されているが，それ以上の大きさに成長づせるためには，さらに巨大な超高圧発生装置が必要とされる．それに対して，CVD法においては，反応容器の大型化が比較的容易であるため，今後大型ダイヤモンド合成方法として発展することが予想される．現時点で報告されている最大のCVDダイヤモンドはYan氏らによるダイヤモンドアンビルである．また，APOLLO diamond社（米国）では，板状CVDダイヤモンドなどを試作している．