Li黒鉛層間化合物よりLi内包ダイヤモンドの高圧合成

摘要

黒鉛層間化合物（インターカレーションコンパウンド：graphite intercalation compounds：GIC）は黒鉛（ホスト）の層間に金属原子やそのほかの分子（インターカラントと呼ぶ）が挿入された物質を指し，インターカラントの種類や量によって，多様な物質群が形成される。 黒鉛層間化合物の構造や特性に関しては文献1）に詳しく述べられている。 GICは一般に，ホスト黒鉛や金属インターカラントとは異なる特異的な金属的性質を示す。 中でも，Liを挿入したLi-GICは，銅や銀に匹敵する高い電気伝導性を示し，高い充放電容量や，軽量，安全性から，Li-GICを用いたリチウムイオン二次電池の開発が精力的に行われ，現在の携帯電話やパソコンの電源の主流をなしている。 したがって，特性の向上や新しい機能の発見が，Li-GICやその関連物質に期待されている。 リチウムイオン二次電池については本誌58号に解説されている。