介在物形態制御により高疲労強度と被剛性を両立させたディーゼルコモンレール用合金鋼の開発

摘要

自動車産業は、主要な基幹産業の一つとして、その裾野に、多様な技術を有する広大な企業群を擁し、形成されている。これら企業群は、「環境」·「安全」·「快適」·「利便」に繋がる新製品の開発に向け、自身の社会的責任も踏まえた上で、グローバル展開も視野に入れて、新しい機能、より高い機能を目指し、技術開発競争を戦い抜いてゆかねばならない。 鋳造、鍛造、プレス成形、切削·研削等の素形財産業の「ものづくり」における貢献度の高さは論を待たないが、技術と匠が複雑に共存する分野であると共に、金属材料とは非常に密接な関係にある。 今後、より優れた製品を生み出していくためには、両分野の一層の協調、コラボレーションが必要である。 自動車は、現在、この地球上に、8億台を超えて存在し、毎年5,000万台以上が、新たに生み出されており、21世紀においても、交通·物流·運輸の主役であろう。 環境と人にやさしい自動車の実現に向け、材料·処理·加工の分野から、あるいは、その枠を越えて、新たな提案を続けていきたい。