高強度1,000°C級耐熱オーステナイト系ステンレス鋼板：環境指向の省ニッケル高パフォーマンス素材

摘要

耐熱用ステンレス鋼としてはSUS310S、SUS302B、SUSXM15J1等が良く知られているが、厚肉構造部材として使用するには溶接割れ感受性が高い、あるいは、高温の組織安定性が不足してシグマ脆性を生じる等の問題点がある。 発電プラントでは化石燃料の有効活用を目指した高温化の技術開発が推進されており、より厳しい環境に耐える構造材料が必要となっている。 一方、自動車の排気ガス規制がますます強化され、排気系統で使われる耐熱材にも高性能化が求められる。特にエキゾーストマニホールドは1,000°C級の高温に曝される部位であり高温高サイクル疲労特性など要求項目も多い。 本開発材はこれら環境、エネルギー分野の問題を解決すべく開発したオーステナイト系ステンレス鋼板である。